辻倉

和傘の伝統を守る300年の歴史

世界に誇る日本の伝統工芸はたくさんありますが、その中でも和傘は独特の美しさを放っています。
現代では便利なビニール傘が和傘を圧倒して、滅多に和傘をすることなどありませんが、日本人としてその美しさと工芸品としての質の高さを見直すのは良いことです。
また、日本の美として外国人にも人気があり、たくさんの愛好家が日本を訪れ和傘を求めていきます。

現在では和傘を作る職人は激減してしまっていますが、京都には伝統ある逸品を作り続けている老舗があります。
辻倉という名のその老舗は、1690年に創業したということですから、300年を軽く超える伝統を持っています。
脈々と受け継がれた和傘の技術と美しさを現代にまで伝え、今なお人々の心をつかんでいるのです。

自然との対話をうながす和傘

竹と和紙によって作られる和傘は、雨が傘に当たる感覚や音などをダイレクトに持つ人に伝え、日が当たると傘の生地を通して優しい日の光を感じられます。
こうした自然との会話をうながしてくれるのが、和傘の魅力であり、ビニール傘では感じられない繊細な自然の恵みを感じることができるのです。

日本の文化は季節の移ろいを感じることを真髄としています。
その面で、この和傘はより日本の心を味わう1つのツールと言うことができ、日本的な美しさや楽しさを倍加させてくれるのです。

また、和傘はいろいろな種類があり、その機能やデザインを楽しむのも1つの魅力です。
複数張り重ねられた生地には、いろいろな柄が付けられていますし、重ねられた部分のマッチングも見る人を魅了させます。
そして、骨である竹の部分の繊細な作りにも目を留めると、その機能性とともに職人が織りなすデザイン力の高さが感じられます。

様々なシーンで活躍する和傘

和傘は実に様々なシーンで用いられています。
毎日の生活の中での使用はもちろんのこと、歌舞伎や日本舞踊に欠かせない道具としても用いられています。
また、和食料理店や旅館などの飾り、伝統行事での祭事における使用など、その活躍の場は幅広いものがあります。
その存在感の強さから、それぞれのシーンにおいて大事な役割を果たしているのです。

普段一般の使用は、手入れの難しさなどからあまり見られませんが、和の美しさに触れる機会を作ってみるのも良いでしょう。
家のインテリアとしておいたり、お店にワンポイントの装飾として配置するのも良いでしょう。
実用性の高い大ぶりの傘だけでなく、装飾に向いている小ぶりのものもありますので、インテリアにぴったりです。

また、近年はこの美しさに惹かれて外国人が、日本のお土産として購入する例も少なくありません。
新たな日本文化の奥深さを世界に知ってもらうためにも、より広い発信が期待されるところです。